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第一章 第一話:迷宮への侵入者
とある迷宮前。
「キソラちゃーん」
声を掛けられたキソラは振り返る。
「あ、みなさん。ちゃんと無事だったんですね」
「酷いなぁ」
休日の今日、キソラは冒険者たちに迷宮を開放していた。
そんな言い合いしながらも、冒険者たちから順に頭を撫でられていくキソラ。
今日一緒にいる冒険者たちは、キソラの幼少時からの知り合いであるためか、彼女を子供扱いしたり、娘のように接したり、妹のように接する者もいる。
さて、冒険者たちの数を数え、ギルドから要請された人数がこの場にいると確認し、迷宮に結界と幻惑の魔法を使う。
結界は外には出られても、中には入れないという一方通行仕様のため、これで閉じ込められた人がいても外には出られるし、モンスターに関しては、外に出ようとすれば、結界が邪魔をして外には出られない。
つまり、結界の作用が働くのは、冒険者たちのみなのである。
「それじゃあ、帰るか」
一人の冒険者に言われ、ぞろぞろと帰り始める他の冒険者たち。
帰ると言っても、今から行く場所は冒険者ギルドであり、報告だ。
最後に迷宮に掛けた魔法を確認し、キソラもその場を後にした。
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