第一章 第一話:迷宮への侵入者

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   ☆★☆     息を切らして、走り続ける。  自身が走ってきた場所には、自身の血が流れ、漆黒の羽が無惨にも傷ついていた。  ――何故、こうなった?  問いかけても、答えは返ってこない。 「見つけたぞ!」 「……っつ!」  声がし、背後を見る。どうやら追っ手らしい。  さて、どうするべきか。  まだ死ぬつもりはない。  なら、少しでも長く、生き延びるために魔法を使う。 「次元転移魔法だと!?」  驚く追っ手たちの前から、傷ついた身体を何とか起こし、その場から消えた。 「ここは……どこだっ……?」  出たのは、真っ暗な洞窟のような場所。  とっさに次元転移魔法を使ったので、どの位置のどんな世界に飛んだのかは分からない。 「……」  とりあえず、今は疲れたので、羽を消し、眠りについた。
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