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息を切らして、走り続ける。
自身が走ってきた場所には、自身の血が流れ、漆黒の羽が無惨にも傷ついていた。
――何故、こうなった?
問いかけても、答えは返ってこない。
「見つけたぞ!」
「……っつ!」
声がし、背後を見る。どうやら追っ手らしい。
さて、どうするべきか。
まだ死ぬつもりはない。
なら、少しでも長く、生き延びるために魔法を使う。
「次元転移魔法だと!?」
驚く追っ手たちの前から、傷ついた身体を何とか起こし、その場から消えた。
「ここは……どこだっ……?」
出たのは、真っ暗な洞窟のような場所。
とっさに次元転移魔法を使ったので、どの位置のどんな世界に飛んだのかは分からない。
「……」
とりあえず、今は疲れたので、羽を消し、眠りについた。
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