プロローグ

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プロローグ

 最近、とある夢をよく見る。  目を開けば、雲の上におり、風が流れる空の世界。 「フリーゼ」 『“飛行技術” フリーゼ・フィール』  その世界では、私をそう呼ぶ。  再び目を閉じ、再び目を開けば、赤き大地と空が彩る戦場。 「……レージ! クラリス・レージ!」 『“剣姫” クラリス・レージ』  その世界では、私をそう呼ぶ。  もう一度、目を閉じ、再び目を開けば、何故か水に浮かび、空を見上げていた。 「相変わらずねぇ」 『“速読術” アリエス・カノン』  その世界では、私をそう呼ぶ。  そして、一番見るのが―― 『“異世界からの来訪者” (ひびき)希空(のあ)』  私は、ある目的のために、何度もこの世界に転生していた。  そして、今も――  私は、とある場所にいた。  そこは、つい最近まで存在せず、私は調査のために訪れていたのだ。  一人が危険だというのは、理解している。 「孤独な迷宮に、冒険という名の光を」  そう告げれば、この場所は、この世界でいう『迷宮』というものに早変わりした。  いや、それは違うな。  元々、迷宮だったこの場所を、私が支配下に置いたのだ。  深呼吸し、上に空いた穴から空を見上げる。  都会では見られない満天の星空で、キラキラと輝いている。  さて、先程の転生云々だが、それを話すには、時間を遡らなければなりません。  あ、名乗るのを忘れていました。  私はキソラ・エターナル。  もし、他の四人のように名乗るとしたら―― 『“迷宮管理者” キソラ・エターナル』  でしょうか?  それにしても、どこから話しましょうか。  …………。  決めました。  彼との出会いから話し始めることにしましょう。  私の『全て』のけりが付けられるようになった物語の始まりを――
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