夢と現実のあいだ

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 ふと目が覚める。まだ夜だ。暗い中、ぼんやりと壁に掛かった絵が見える。高校のときに、友達がくれた帽子の絵だ。だとしたら、ここは実家だということになる。  いつから夢だったのだろう。今はいつなのだろう。夢が最短の場合、私は大学から後輩と棲んでいるマンションに帰ったところだ。夢が最長の場合、この絵を壁に掛けた高校三年の春の日の次の朝だ。    確認してみよう。私はゆっくり躰を起こす。ベッドの隣にぼんやり見える置き時計は、ぴったり三時を指している。アンティークの、品の良いからくり時計。  衣服を纏わないままベッドから降り、時計に歩み寄って文字盤をスライドさせる。背面に現れたキーボックスのフックには、くらげのネックレスと十九歳の誕生日にもらった押し花のネックレスが二本。ということは、多分ここは東京の後輩の部屋。現実ないし夢は、眠る前から連続したまま。
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