二段目。-再会side-

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法会が終わり、参座の信徒達も三々五々、下山した頃。一座恒例の、春の納会が開催された。要するに『宴会』なのだが…これがまた、毎年、呆れる程に豪快だった。 六星一座は、どの星も蟒蛇(うわばみ)揃いである。 『酒池肉林』『百鬼夜行』『紛々繚乱』。 呑んで騒いで入り乱れ、毎度、目も当てられない程の醜態を晒す。最早『無礼講』どころの騒ぎではない。 前首座・甲本伸之の代の一座は、特に酒豪が多い事で知られている。飲み比べなど仕掛けられた日には、目も当てられない程の惨劇が待っている。 自衛策として、極力、奴らとは関わらない様にしている俺だが…今日ばかりは違う。 この納会は、新しい首座の就任と『新生六星一座』の結成を祝う宴でもあるのだ。主役の俺達が、逃げ出す訳にもいかない。
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