二段目。-再会side-

99/113
前へ
/218ページ
次へ
そうこうしている内に、賑やかに乾杯の声があがった。 俺は、宴席が(ほぐ)れるのを見計らって、薙を連れ出すつもりでいる。そうして首尾よく二人きりになれたら、いよいよ、薙に切り出すのだ。 緊張に身を強ばらせて、辛抱強くその瞬間を待つ俺。告白らしき事は、これまでに何度もしていたが、薙の反応は相変わらず鈍い。 俺の精一杯の愛情表現を、未だに冗談か何かだと思い込んでいるのだ。 決してそうではないという事を、今日こそアイツに解らせてやる。俺の『本気』を、ぶつけてやるのだ。そうでもしない限り、俺は最早、行く事も戻る事も出来なくなっていた。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

233人が本棚に入れています
本棚に追加