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そうこうしている内に、賑やかに乾杯の声があがった。
俺は、宴席が解れるのを見計らって、薙を連れ出すつもりでいる。そうして首尾よく二人きりになれたら、いよいよ、薙に切り出すのだ。
緊張に身を強ばらせて、辛抱強くその瞬間を待つ俺。告白らしき事は、これまでに何度もしていたが、薙の反応は相変わらず鈍い。
俺の精一杯の愛情表現を、未だに冗談か何かだと思い込んでいるのだ。
決してそうではないという事を、今日こそアイツに解らせてやる。俺の『本気』を、ぶつけてやるのだ。そうでもしない限り、俺は最早、行く事も戻る事も出来なくなっていた。
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