Epilogue─エピローグ─

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Epilogue─エピローグ─

ガシャ────ン!! 「きゃあぁぁぁあっ!」 厨房に、食器が割れる音と、衣を裂く様な悲鳴が、同時に響き渡る。 「お皿が!古九谷の絵皿が──!!」 あぁ…またか…。 高価な染め付けの大絵皿が、木っ端微塵だ。 繰り返される暴挙に、俺は、痛む眉間を抑えながら言った。 「おい、珠里。それ、お袋のお気に入りの皿だぜ。」 「えぇ!? 本当ですか、烈火さん!?」 「本当本当。怒られるぞ、お前。」 「どっ…どうしましょう~?!」 顔面蒼白の珠里が、割れた皿の破片に手を延べる──すると。 「痛──っ!」 小さく叫んで、不意に背を向けた。 いつか見たな、この光景。 既視感(デジャヴ)(とら)われながら、俺は珠里の肩に手を掛ける。 「見せろ。」 「あ…だ、大丈夫です。」 「いいから見せろって!!」
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