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「ねえ、アクィエルさん」
私は優雅に扇子を広げる。
口元にそっと近づけ、堂々と立つ。
道化も終わり。
あなたが道化になる番ね、アクィエル・ゼヌニム。
「私を追い詰めようとする割には手ぬるいですわね。そういえば最近やけに私の悪口が多いみたいですわね」
「イヤですわ、何故私がそのようなことを言わないといけないのかしら?」
「では一週間前から遡って話しましょうか」
私はアクィエルが言っていたことを全て時系列毎に言い、どの内容もアクィエルは身に覚えがある。
身内しか知らないはずの内容まで。
「誰ですか、私を裏切った大馬鹿者は!」
「あら、あなたに味方っていますの?」
誰もアクィエルに近付こうとしない。
それはアクィエルだけが知らない事実。
「毎日新聞は見るべきですわよ? でないと簡単に情報の隠蔽ができますから」
「どういうーー!」
アクィエルは近くの生徒が持っている新聞を取り上げる。
私が言ったことの意味を考えるまでもなく、表紙に大々的に書かれている。
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