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ジョセフィーヌ家の濡れ衣。
ゼヌニム家の陰謀。
その大きな見出しにアクィエルは目を見開く。
口がワナワナと震え、口を開けてみっともなくなっている。
「う、嘘ですわ。誰がこんなことを!」
「あら、なかなか鈍チンですわね。そんなの一人しかいませんこと?」
アクィエルは私を睨む。
やっと全て理解したようだ。
そして周りを見渡す。
先ほど不正の真犯人を名指しで指名した子に怒鳴る。
「あなたはその女に嵌められたんでしょ! なんで私を裏切るの! そしてあなたたちもよ」
前まで取り巻きだった者たちも私の味方になっている。
全員、アクィエルは泥船だと感じていたのだ。
少しずつ、周りの力を削いでいき、アクィエルは完全な孤立だ。
「あなたにはわからないかもしれないけど、例え私がその子たちを借金地獄にして、あなたが救済をしたといっても、その子たちに何かしていい権利はないですわよ?」
アクィエルは私が刃向かった者たちの借金を肩代わりして表面上は助けたが、その見返りは最低なものだった。
動物のマネやパシリは可愛かった。
だがすぐにそれはエスカレートし始めて、今では日常的にいじめをしていた。
そしてこの子達を洗脳して私への憎悪にすり替えていたのだ。
だから私は元どおりにした。
借金を返すために私の人脈、学校の仲間たち全ての能力を屈指してマイナスをゼロに戻した。
みんなの協力がなければなし得なかった。
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