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「これはどうしたのですか?」
学校の最高責任者、理事長先生がやってきた。
そこでアクィエルは思い付く。
この状況を打開する一手を。
アクィエルはさっきまでの必死な顔を隠して、猫被りする。
「理事長先生、聞いてください」
「どうしました、アクィエルさん」
「マリアさんが、二位である私がテストをカンニングして不正しているって言うんです。でも、ご覧の結果の通り、マリアさんが不正で違反者となっています。この者は反省しておりません、然るべき処置を取るべきです」
アクィエルは笑っている。
その結果が本物であると。
「あら、その順位表おかしな魔法が付けられているわね」
理事長先生は手をかがけ、順位表に魔力を送る。すると、薄い紙が剥がれ始め、剥がれた部分から驚くべき事情がわかる。
アクィエルと私の順位が入れ替わった。
つまり、違反者としてアクィエルが載せられている。
あら、バレちゃいました。
「どういうこと……、理事長、私は違反などしておりません」
「あら、したではありませんか。マリア・ジョセフィーヌさんから全てを聞いておりますよ。私も魔法で遠くからあなたの卑劣な手口を聞きました。あなたは違反者として退学を言い渡します」
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