悪役令嬢への未来を阻止〜〜人生のやり直し〜〜

3/30
前へ
/30ページ
次へ
「証拠もないのに? それこそ反感を買う。例えそんなことをしても君は助からない。もう未来へ進み始めているんだ。君が死ぬ未来へ」  そっちこそ証拠はどこにあるのよ!  あるなら出しなさいよ。  白い歯は黙る。  何も喋らない。  ほら、やっぱり嘘じゃない! 「今の君は本当に救いようがないな。しょうがない、これはサービスだよ。未来の一部分だけ教えてあげる。まず、今日、君のロッカーに手紙が届く。まあ、これどおりすると多少良くなるから無視しないように」  て、手紙?  誰からよ! 「それは言えない。ごめんだけど今話している事もギリギリなんだ。質問は答えないよ」  黙るしかなかった。  もし今日それが起きなければ嘘って事だから、真偽の判定は簡単だ。 「一ヶ月後、噂を聞く。嫌な噂だ。その三ヶ月後、家に大量のヤギの頭が送られる。そしてさらに三ヶ月後、家は貴族としての地位を落とされる。さらに二ヶ月後、君は学校に居られなくなる。一ヶ月後、領民から苦情や罵詈雑言が飛びかけられる。  そこから三ヶ月後、家に火が点けられる。おまけに最後の二日間だけ見せてあげよう」  そう言うと、その空間が変わる。  いつもの見慣れた我が家。  青い屋根の屋敷が映る。  庭園には赤い薔薇がいつも咲いているが、その光景では無残にも枯れている。  それは長い間放置されているようだった。  何これ?  私の大好きな庭がどうして?  たくさんの使用人が庭の手入れを欠かさずにするのに。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加