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また景色は移り、近くの川辺に二人の男女がいた。
あの金髪に私のお気に入りの青いワンピース。
あれは私?
自分と思われる女性は頬が痩けている。
目には黒い隈ができていて、美しさのカケラもない。
隣にいる男は昔からの幼馴染。
昔はよく遊んだのにいつからか下僕のように扱っている男だ。
今では名前も覚えてない。
その男と昔のように笑って話している。
今の自分と同一人物とは思えないほど仲良く。
また場面が移る。
火が屋敷を包む。
その屋敷の周りでたくさんの人間が笑っている。
同じ学校の生徒たち、先生、見下してきた人が
まるで祭りのような光景だ。
そして窓から身を投げる私。
気分が悪くなり、私はたまらず吐こうとする。
だが夢のせいか何も出てこない。
ただ気持ち悪いだけ。
「これが僕にできる最後だ。また会えたら、僕を思い出していてほしいな」
少しずつ目の前が薄れてくる。
そして眼が覚める。
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