夜想

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夜の帳が下りた頃二台の自転車が街中を走る 速くなることも遅くなることもない 行ったり来たり右へ左へ 曲りくねり向かう先は思い出 出会った僕らこれから離れる でも寂しくはない僕はここにいる 君はそこにいるんだろう見なくてもわかる 風が強くても雨が降っても止まることはない 僕らの夜走 離れた街で一台ずつになっても二台は各々の道を進んでいた 少し遅くなった漕ぐ力が落ちた 進むのが辛くなった 向かい風も雨もないのに 出会った僕らこれから離れる 寂しくなった僕君はいない 君はどこにいるの見えないしわからない 進めなくなった理由がほしい 風吹いてくれ雨よ降れ 長い時が過ぎた 君が近くにいなくても前に進めるようになった 僕を信じ僕を前に進めてくれた 街中を行き交う車のヘッドライト ビルの照明はまばらに輝く 僕らの未来を照らされた 見えていた時には見なくても君が伝わる 見えなくなって近くにいることで君が伝わっていたことに気付いた 出会った僕らこれから同じ道を進む 弱かった僕は君の強さで前に進めた 僕がいたから進めたと君には笑って欲しい 明けない夜はない君となら これからは一台で
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