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「あの…」ってか細い声。
どうしました?って傍にいくと、
「あの、飲み物ほしいんだけど、お金が無くて…
必ず返すので、お金を貸してもらえないですか?」
って何度も言ってきたんです。
何度も言ってきて、繰り返しているうちに泣き出してしまって、
「お金ないから家族に電話も出来なくて。
電話もしたいんです、電話するお金でもいいんで貸してもらえないです か…。」
と、もう泣きじゃくりながら言ってきました。
それ見てたらもう切なくなってしまって…
多分、緊急入院になってしまった時点で
自分の病状が進行していると気づき、
それだけでも不安で押し潰れそうだったんだと思う。
こんなお願いなんてしたくなかった、と言わんばかりに
廊下で泣き崩れてしまって
肩を貸してさすりながら病室に戻ったのを覚えています。
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