おかしな二人

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まぁ、地味な男子生徒で高校生になってからの青春も、ずっと校舎のなかで過ごしていたら出るところに出てもというものだろう。が、しかし、ただ、窓から見えた白熱した別れのシーンに、なに派手にやっているのかと、思わず見ていると少し派手な女子生徒と目があった。 これは、最悪の事態に遭遇したと思いは否めない。それが、最高の出会いになるとは、予想外の事態ということだろう。 本当に、何故、あの日の僕は、誰もいない部室棟にきたのか。そんな偶然と不運の狭間での必然的な始まりだったのかも知れない。 この三年をなにもなく、もう無事に終わる“はず”の僕が、何故、巻き込まれるなんて思うなのである。 まさか、こんな如月蒼葉の運命の出会い探しに、揶揄い半分スタート。巻き込まれて行くなんて、想像できるわけもなかったというわけだ。 それが、青春というものか。 微妙なものですが絡まれる青春。 「青い春。アオハのアオハル感じか? おお、カラオケに行くのと一緒だわな。オケる? みたいなもんか」 高史朗は、「おお、今日、アオハる?」を、自分に言い聞かせていた。 そんな関係になったというと、自分でも、ツッコミを入れてる傍観者の僕はできないわけです。  僕は文化部、なかでも、そこそこ地味である美術部。そして、僕の毎日といえば、なんとなく“絵を描くだけ”の日々を送るだけになっていたのもある。 要は、退屈していたに違いない、それは確かだった。
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