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家もご近所、学校からも、これまたいい感じの近距離とが、高校入学でもっと近場のマンションにひとり暮らしとは予想外のオンパレードだ。
「でもさぁ、高史朗くんと会うことがなかった。というのは不思議だよね」
「かもなぁ、まあ見ての通りチャリと歩きの違い」
「それだけかなぁ。だって、隣りのクラスだよー」
「そっちと違って、存在感が消えかかってるのかもなー」
僕は次の日、この如月蒼葉と一緒に登校していた。
それは、昨日の奇襲後に「朝に迎えにこい」なんていう指令を受けたからだ。僕はただ、断るのすらめんどくさいと思ってしまったのだ。
反論も意味がない気がしたからとも言えるけれど、今、ちょっとだけスランプな僕は少しだけ興味をひかれたのだろう。
「捻くれてるなぁ。いつになったら、心を触れるのかなぁ」
(……金持ちか、どんだけ親あまいんだよと言いたいような豪華なマンションだった)
わざわざ越してくるのも珍しい気がする。
そして、今、彼女と僕は話しつつ、とぼとぼと登校しているわけだ。
僕の自転車の座席には、如月蒼葉がのっていて、僕はその自転車を押しているのは、まるで召使いにでもなった気分だ。
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