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「如月さんは、あんなでかいとこにさ。ひとり暮らしして寂しくなッ」「ストップ」がきた。ずずいっと近くに顔を寄せて、「シーッ」と、指を口にあてる。
「如月さんとかいらないよって言ったのに、もうアオハッて呼ぶことッ! 私だけ高史朗くんっていうの変じゃないのかな。あとは、この家のはなし秘密なの。だから、黙ってることね。高史朗くんだけしか知らないってこと、もしかして話したは、ないか。秘密、どう? あ、秘密くんでもいいね」
「んん、どうって言われても。ああ朝起きるのはやくなったなってくらいだな。別に、誰にも話してない。なんで秘密なのかなとか?」
少し拗ねた顔をした彼女は、続けていう。
「ただでさえ、遊んでるとか思われてるからだッ!」
「だったら、静かにしておけば。ピアノはやめたのかよ。まぁ、その爪だと無理だな。でもさ、朝が弱いのは、ウソだろうけどな」
「あれ、なんでバレたかなぁ?」
「ううーん、やっぱり顔だろう。あとは、よく喋るから」
( まぁ、本当の朝、弱いのを知ってるしな。……俺んちの妹、朝が弱くて、もう機嫌が悪いんだよなあ。こんな喋ることもないしあしらっておけばOKだな。顔もあるんだよ、アオハル姫さん……「起こして」って言ったの小雪ちゃんじゃんっていう。毎朝、兄ちゃん切ないんだよーッと。……言ったら、このネタで、小粒に、いじられるわなー )
僕のおでこに、デコレーションでも乗せているような爪でペシッといい音をさせる。
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