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思うよりも痛くない軽い音がだと思った。
「なにボーッとしてるのよ。ああッ! もう、これチップだから取れるじゃんか。責任とってくれるのかなぁ?」
まただ。ずずいっと顔を寄せては、パチリとした瞳でピシッと見てくる蒼葉がいた。
「顔ッ、ちょッちかいッ、ちかいッてばッ背伸びしてくんなよなッ」
(ん? 待て待て、その責任ってなんだよ? それは俺が取る的なもんか?)
「やめてない。ただ、新しい音色が、鳴らない」
「新しい音……」
(いや待て、なんか間違えてないのか。それで付き合うとかってなんんだろな? だから、誤解されるんじゃないのかよ)
まだ言えない。だけど、どこかわかる気もする。
「それで弾けんだろうに。その、チップてのはなんだ?」
「それは、直接作るかくっつけるだけか、かな」
「ごめん、やっぱそんなんは、聞いてもわかんねえや」
「そうだろーね。いろいろと、わかってないしなぁ。オンナの敵は、オンナーッてのもねぇ。わかってないでしょう? そうだ、あれって、ほんとに嘘じゃないからね。オトコとは、ちょい違うんだのよねぇ。攻撃が?」
(確かに、けど。うちのクラスが平和なのか、あんまり妹ちゃんも言わねーしな)
「オンナの敵はオンナ、ねえ。なんか、それはよく聞く気がするな。でも攻撃って、髪を引っ張るとか?」
蒼葉というオンナは、次に見れば、違う表情を見せる子で、僕は、やっぱりころころとかしていて飽きないと思うようだ。
「違うよ、いうならば足の引っ張り合い。だけど、水面下で動いてオモテに出さないの」
まただ、表情が変わった。
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