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今は、それは本当のことだろう。
どこか、今というのは、ぐさっとえぐるようなことを、無邪気に笑っていう蒼葉は、なにか含んでいると思える。
僕にとっての“蒼葉”は、そんなオンナで、爪にも仮面をつけてるってところか。そして、彼女は意外にも僕に鋭いところを突いてくる。
「私の背伸びぶん、あわせて20センチほどの秘密ね」
「20センチの、秘密ね。誰にも言わねぇよ」
背伸びして5センチ上がる彼女は160センチほど。
如月蒼葉との距離は、180センチほどある保武高史朗とは、確かに20センチくらいだ。
高史朗は自分でも気付かずに「なるほど、20センチほどの秘密なわけね」と、聞こえないくらいの声でボソッと呟いた。
(…… 変なところで、鳴るもんだなろうし、な)
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