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秘密くんとアオハる?
彼女が強がっている気がするのは、気のせいかもどうだか。
蒼葉は、泣きたいことも笑ってごまかしているのかもと、分かりにくくてややこしい。
この蒼葉というオンナという生き物は、傷付いているんじゃないだろうか。だから、僕は珍しく他人の、しかも、オンナっていう生き物に興味を持ったってことだろう。
(なんだ、僕の“気持ち”かー)
“雨の日の段ボールに捨てられた子猫を、思わず見かねてしまい傘を置く”といった。またまた、ベタなこと、このうえない気分とでもいえばいいのだろう。
初めから、少女漫画のように、髪を切るとか言う時点でわかるべきだった。言った当人の世界は、すでに漫画のヒロインの気分なのだろう。
そのヒロインの中身は、本当は誰よりも繊細なものがあって、本人すら気付いていない自分。色んな知らない面を持っているのかもとも思えた。
(“20センチのほどの秘密”の共有者っての、響もそう悪くないのかもなー)
高校の二年途中からか。実際は、一年の最後からなのか、今となっては“モチーフもない”、描きたいものもない。創作したいものもない。口にしないだけ、だけど、本当は、ない、ない、ない、の高校三年生になっている僕は、自分でも今の自分には、とても残念で、うんざりしていた。
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