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そんな無駄な自信を持つとはなんとも、おかしくない。切ないといえばそうだろう状態に陥っていたわけだ。
午前の授業が、キーンコーンカーンコーンッという音とともに、クラスのなかがざわざわとしだす。
(ああ、もう昼か。どうりで腹も減るわけだな……ッ)
ドンッと頭のうえに、同じクラスのオトコ。これぞ、青春ばかオトコと、年がら年中、真っ黒に日焼けをした友達、木坂の声がする。
「めっし、今日、弁当忘れてさ。高史朗っていつも、学食に行くだろ。一緒行こうやー」
「ああ、んじゃあ早めにじゃねえと、おまえ食券なくなるぞ?」
カタンッと席を外して、やたらと近い熱血オトコを横に「これが青春の色とかか」と、ぼやいてしまう。
とにかく木坂は、熱い、熱苦しいオトコだ。
「なんで、おまえも食券なくなんじゃねえの?」
「ああ、なんか今日は途中で抜けたついでに買っておいたんだよ」
僕はポケットに手を入れて食券を出すと、ひらひらと見せびらかすように木坂に見せた。
「うわッ! それ、反則だろ」
「いんや、イエローくらいかな。何年も、毎日のように購買やら学食行くとな。オバちゃん達がサービスしてくれることもあるんだよな」
「マダムキラーかよ!」
ボリュームの壊れた声で、変なことを言わないで欲しい。
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