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「いや、たーぶんな、この少年はきっとお家のマミーと仲悪いのか、きっとお弁当作るスキルのない母を持ってるのか? 鍵っ子なのかしらねーみたいなもんだよ。ばぁかだな、木坂よ」
「正解はなんだよ?」
「正解は、おかん料理が苦手、プラス、朝弱いのダブルだな」
「うんわずりぃ! それ、後半のは選択肢に入ってないだろ!」
「まあ、そんなもんだけど。オバちゃんの感じが、「あらまたなのね」なんだよってのは、変わらないわけ」
「ふうん、顔覚えられるとお得だってことか。大盛りとか」
早足でスタスタと、走り歩きでもするような木坂は、たまに段飛ばしで階段を降りようとする。
「確かに、味噌汁とかが増えたり、というサービスはあるかもなあ」
(こいつはメシだけかッ!)
「いいなあ、いいなあ、オバちゃんにくらいモテたいなぁー」
僕は、ぶぅぶぅ言う木坂を見て、よく言うよとしか思えないのだ。そう思うのは、野球部で、よく部室棟からもきゃあきゃあした黄色い声を集めているところを見るからだ。
本人、興味あるようなことを言って、寄ってくるオンナの子は、部活が優先だから付き合えない。なんてことを言う贅沢なオトコだと思うからだ。
「ねえ、本当に部活があるからって振るのかよ?」
「珍しいことを聞くのな。高史朗からのオンナの話しとはなぁ」
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