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「そこまでムキになると、危ない響きだぞ。てか今のってさ、如月蒼葉だよな。近くで見ると、もっと可愛ええなあ、と思うねえ、どう高史朗も、そう思わなんか?」
(ニタニタしてやがるッ!)
「かもな」
木坂は、腕をまわして、悪い取り引きでもするように語りかける。
「いやあ、今さらクール顔されてもね。なんがあったのか、ちょっとだけ教えてくれたら」
「くれたらなんだよ?」
「誰にも、秘密にしておくけどなー、秘密くん?」
(くっそうッ、木坂も勘弁しろよーッ! 蒼葉だけでも、急なものだってのにーッ!!)
「触りだけというか、秘密くんは……木坂、約束だぞ?」
「そうそう、俺は約束を守るオトコだよ、ほらお兄さんに言ってみなさぁい。俺だって、おまえよりはオンナの子と青春してるんだから、しっかりと飛び込めよう!」
(くっそう……ッ!)
「まずは、昼食を先だ、それからなッ!」
そのあと、参った顔で、高史朗はというと、しどろもどろ木坂に話した。“話した”とはいえ、ただ、本当に蒼葉が“秘密にしておきたい”ことの“ひとり暮らし”のことを抜いての話しだ。
(一番、知られたくないことあってるよな……?)
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