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ただ、朝の如月蒼葉との会話であった。
僕と如月蒼葉との距離のこと、背伸びして5センチ上がる彼女は160センチほど。
180センチほどある僕との距離が、背伸び分を引いたら20センチほどあるという話しからというあだ名のようなもの。
そうすれば、僕、保武高史朗と彼女、如月蒼葉との距離は、確かに20センチほどの差くらいになるという話しになったということだ。
「だから、私の背伸びぶん、あわせて20センチほどの秘密ねって言われて、なんも答えないからか、知らんけど、20センチほどの秘密ねっていうその。そんな、話しです……」で、それなりに辻褄は合っているはずだ。
僕の話しを黙って聞いて、しばらくすると、木坂は「なるほど、20センチほどの秘密なわけね」と、ボソボソッと呟いた。
「わかったか? だから、おまえの考えるような関係とか、そんなんはなんもねぇの」
「いやいや、明らかに“今のはなし”の方がえろいっすッ」
「いやいやいや、どこが! そんな身長だけの話しだろうにッ?」
木坂は、裏にまわって喋りを聞いては、飲み物をズズッと飲み干して、寝転がって僕を見ると、溜め息をつく。
「なんだよ、木坂くんよ?」
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