秘密くんとアオハる?

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休憩時間に、スマホがカバンで振動するのがわかる。カチャッと開いてなかを手探ぐりで、振動するものをガサゴソと掴む。 メッセージは突っ込みたくなるメールで、『今日は夕方、私の家まえに集合』と、如月蒼葉のアバウトなものだった。 (夕方って、時間もわからんぞッ! えっと……メール文って、どういうのがいいんだ?) ガヤガヤっとうるさい教室で、蒼葉はスマホを片手に、ニヤついていた。 (なんって返すんだろうなぁー? お、既読がついた) 「ねぇ、蒼葉さー、今日遊び行くー?」 かったるそうに毛先を切るパチンッという音が反響して聴こえる。 「ああ、ごめんねぇ。それが、ちょっと親がねぇッ! 今度、声かけてー」 へらへらっと笑う蒼葉。 「せっかく、ほかの男子校のオトコと合コンなのに、残念だよねー」 「そッそうなんだね、みんな今日は他校の、がッ、頑張ってきて!」 “高校生の如月蒼葉”の、へらへらとした笑いで付き合うオンナ友達。 (どちらかというと、持ちつ持たれつか、睨まれるのこわいしな……) 「アッ、きたーッ!」 パチっと大きな瞳で、モニターに食い入るように近くで見る。 「どうしたの?」 「ああ、ごっめんね、思わず大きな声出ちゃったよ。ガチャ引いたら、レアきただけだから!」 「ふぅん、好きだねぇー」 「でしょう(そんなわけない!)」 (えっと、なんだっけ……?)
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