秘密くんとアオハる?

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ふたたび、スマホの画面に戻ると、蒼葉の瞳に慣れない高史朗から『何時かわからないんですが。いつですか?』と、メールが入る。 (真面目だーッ! 秘密くん、やっぱり引っ掛かったなぁ) リズミカルにタッチペンを使いメール文をつくる『今日の……』私、なにしてるんだろう。今、ほんとうに顔がにやけて仕方がないな。 「蒼葉、先、うちら帰っとくわー」 「ああだねー」 ドキッとするタイミングで声がかかる。 (毎日、毎日、よくも飽きずに探すなー、なんでだろう彼氏みんないますよねぇ。可哀想だとか思わないのかな? まいっかーッ) 蒼葉は、メールを送信して、「はあ」と、呼吸するように上を向いた。この薄い壁一枚むこうの隣りの教室には、秘密くんがまだ居るんだよな。 (……今日、ぶつかったお友達に、ちゃんとごめんなさいって言ったかな?) 「今度会えるといいな。オセロみたいだなぁ(黒いオトコの子)」 ぶぶぶぶッと振動する手のなかで、蒼葉からの指令が入る『じゃあ、今日の夕方18時くらいかな。またあとでね!』と。 (この指令は……ううーん、どこ行くんだ?) 木坂は、放課後にメールをみては、困った顔をするオトコ、高史朗を見て想像がつくほどわかりやすいなと思って見ていた。秘密くんだろうな、ということは、相手は秘密ちゃんってことか。
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