17人が本棚に入れています
本棚に追加
僕と、彼女のスタート。ただ、僕がこの如月蒼葉にいいように揶揄われる“20センチほど”の“秘密くん”と、“蒼葉”と呼べと言われるままに呼ぶ。おかしな関係になったのだ。
さて、その日までは、僕はただただ、ぐだぐだと。テキトーに時間をつぶして、絵を描いて。少しはやめに推薦も決まっている、文化系のみぞ知る“地味な有名人”という位置付け。学校では、やっぱり体育会系が不動の人気なわけで、文化系でどれだけ頑張っても、そこそこ。どこにでもいる、冴えないような男子に位置付けられると自分では思ってます。
目があった女子なんてものは、それこそ、関係のない世界を生きているのであろう異世界の住人だった。目があったのが、そもそもの間違い。事件があったのが、最大の理由になる運命の歯車が周りしたのかも知れない。
散りかけたサクラの木の下で、壮絶な別れをして、散りかけではない別れは“完全に散った”らしい。
大泣きした女子生徒”と、“見てしまった僕”は、さてどちらが立場が悪いかは、お察しの通りです。
彼女は同じ学年でも、お姉さんに見える。だけども、サイズは小さいな小粒ちゃんの奇襲攻撃。
標的を見つけて“ロックオン”、ロケットランチャーになっていた。それが正しい。僕を目掛けて、まだ誰もいない部室棟の静寂を破り、美術室のなかにある席を、軽やかに段飛ばしで駆け抜ける。まるで嵐のようなオンナ、如月蒼葉に、呆気に取られていた。
(いや、まさか、こっちには来てないよな。ちょっと、待った。オイオイ、こっちに来てるんですけど、なにが起きるんだよ。えっと、どうすればいいんだよーッ?)
最初のコメントを投稿しよう!