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だけども、それでも家に帰るのが僕としては「めんどくさい」ことこのうえない。それは、我が妹の小雪ちゃん。
高校一年生になったばかり。フレッシュこのうえない、
そして今、絶賛、彼氏とラブラブしているらしいのだ。だけど、夜は電話で、夕方は玄関を開けては、その少年の靴があったりする始末だからだ。
「ただいま(今日もきてるのか)」
(それなら、はやめに食って、さっさと支度済ませるかー)
「あれ? お兄ちゃん、どっか出るの?」
「ちょっと、用があって出るけど、あんまり遅くはならないから」
トンットンッと、スニーカーを履いて振り返ると、妹からジッと見られていた。
「ん? なんだよ、小雪ちゃん」
「なに、デートかなとか思って?」
(なにをマセたことをーッ! と言っても、確かに小雪ちゃんは高校生になったんだよなー)
やっと反抗期も、受験も終わり。ホッとしたら次は、彼氏ときたものだ。
「なんでだ?」
「いや、それならゆっくり遊んでくればいいなーって思った」
まったく僕と正反対、いや、いい根性しているといえばそうなのだろう。
「思惑通りには、モノゴトはうまくいかねーんだよ、小雪ちゃん。いい子にしとけよー」
「うっさいわ! バカアニキーッ」
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