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(目の前でもじもじしているのは、多分あの蒼葉でいいのか……?)
「あ、あの聞いてた。その、なにをするんだろう、という話しであってるのかなって思って、考えてたんだけど、聞かれたくないってのは、彼氏と彼女のってことでしょうか?」
高史郎は、喋ってはつっかえる、モジモジして動けなくなっている立蒼葉を見て、硬直したい。
(ちょっとちょっと、これなに、なにしてんの? 恋愛レーダー? 恋愛嗅覚レーダー? なんだっけ、木坂―ッヘルプゥ、ミィーッ!!)
思わず顔を隠している蒼葉は、指を少しだけ開いては、チラッと高史朗を見ると、またモジモジした。
「ああ、あのうねぇ。これは、その誰にも言わないでよ! 今の、感じとかその、えっとね、秘密くんとの秘密で、いいの、……かなあ?」
「秘密というのは、今、恥ずかしいとかってなってることか? それとも、もしかして経験というか。これは、ちなみにですけども、あの蒼葉ちゃんには、彼氏ができても、触られて嫌になって別れただけっていうのっぽいと、今日、偶然ぶつかった奴が言ってたけど。これは、近いのかなと」
(なんだこれーッ、もしかしないだろーッ! 本当らしいぞーッ!! きさかーーーッ!!)
「だから、もう一つの、秘密ね?」
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