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蒼葉はがさごそとふとんをかぶったままで、耳を澄ました。
「なにいってるのかな?」
『『ねぇ、お兄ちゃんの方って、静かじゃない?』『口塞いでるとかかもよ?』『ええ、やだなぁー、お兄ちゃんの、想像したじゃん』『そうなんだ、なんかお兄ちゃんってロリコンかも知れないよー』『そんなん、みてー』『エロロリものは、コス買ってね?』『やだ、くすぐったッ』』
(……さ、最近の子たちはおませさんですか、もうわからない。だって、そのお兄ちゃんは、秘密くんで)
秘密くんは、とてもイチャイチャとは、ほど遠いんですけども、妹さん。
小雪ちゃんは、なんておませさんに育ってしまったっていうのだ。
蒼葉は、思う以上に隣りから衝撃を受けていた。
くるくるとふとんをまた巻いて、ガサゴソするを選択する以外には思い付かないでいた。
ふとんのなかで、もっと小さくなり蒼葉は、「大胆なことしてるのかなぁ?」と、ぼそぼそと呟いていた。
そんな蒼葉の手に、カチッとなにかがあたる音がした。
(あれ、こんなところに挟まっているけどなんだろうなぁこれ? リモコンを置いてたのか……)
「……ん?」
一方、高史朗はその頃、一階でジュースを探して入れたはいい。
だがしかし、これを、どんな顔して持っていくのが正解なんだと、ひとりでキッチンで自問自答していた。
(小雪、絶対にあとで説教してやるッ! 絶対に、バカなカップルがとか思ってるってーッ!)
「お兄ちゃんの顔を、潰すなっつうの」
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