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ただ、彼女は僕に気付くと、ドドドドッと走って校舎を駆け上る。まさかの展開に驚いてしまった。ガラリッと、放課後の美術室に殴り込みでもする勢いで開けた。
(……これは完全に、逃げる間を、逃した。これは、野生だと俺は生きていけないレベルだなおいおいって、突進してきた、殴り込みかよ。オイオイッ?)
「もうッ、なによぉッ、人の別れを覗くなっていうのよ、なによ、もしかして聞いてたのッ? 気付いてないふりくらいできるでしょうッ! 目を逸らしてとかできるでしょうッ。なんで、しないのようッ!! あ、あ、悪趣味に、見てんじゃないのよぉッおおおおお! もう、へんたいッ、あんたは確定した変態ッ変態馬鹿オトコッ! 絶対に誰にも言わないで、……よねッ! うわぁーんッ」
「ええええッちょっと、泣かないでくださいよッ!」
(うわぁ、大泣きしてるし、これ下手なこと言えない。どうしよう、言いたいことだけ言ってへたり込んで泣くって、どんだけ忙しないんだッてんだよーッ?)
「へッ、ヘンタイって? ええ、いやいやいやいや、違うッ断じて違いますからッ! たまたま、散ってないサクラをみてボーッと。そう目に勝手に入ったという事故ですッ……!」
「そんなこと、きッ、聞いてないもーんッうわぁーんッだって、だってッそんな言われても、無理なんだもんッ。仕方ないじゃないのぉうッうわぁぁぁぁんッ! ヒックくッもうやだよーうッ」
(……きッ、聞いてないなら、しつもんすなよぉ、オンナめんどくせぇーッ! なにが、無理でなにがヤダなんだよなぁッ?)
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