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「大きいね。25センチ、30センチくらい上なんだなぁ。でもどっかで見覚えがあるなぁ。まいいや、そっか、うん、ありがとうね。髪。……それで君の名前は? 教えてくれないと、フェアじゃないでしょうッ」
「“フェア”じゃない」ねぇ、それって使いどころが、おかしい気がする。僕は、そんなことを思っても、口に出して言うと“殴られるんじゃないだろうか”と、思い黙って従った。
「保武、……保武高史朗ですけども、それがなにか」
「下も教えてくれるんだ。私はねぇ蒼葉、如月蒼葉。これから、三年生活よろしくねッ共通点もあるしさぁ」
(知っているよ。一方的になら)
「はぁ……? その、共通点があるとは」
「なんだかね、同じ香りがするの」
出会ったたというよりも、“現れた”に近い出会い。
彼女は、入学した時には、入学式で一年生総代の挨拶をしていた。
どこで、人生が変わったのだろうとも思う。遠い存在。総代を務めるような秀才の女子生徒。
これが、おまけに可愛いときたもんだ。その入学時には、それはそれは、学校中の男子生徒が騒ついたというのに、今はなんとも“残念”としか言いようがない。
……今の姿は一緒でも、まるで別の生き物。どちらにしても別世界にいた“はず”の彼女が目の前いる。(小粒だなあー辛い辛いッ!)
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