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「あのう、その共通ってのはなんだろうなぁと、思いましてね。教えてくれますかねー? 確かに、「よろしく」っていうのは、まあ挨拶としてもわかるけど。如月さんとの接点はないでしょう?」
「なに言ってんのよ? あるじゃないのよッ。今、接っしてるしさ。それに、私、さっき彼氏と別れたの見てたでしょう? あとは、髪の毛も切ってもらったでしょう。あと、その感じだと、たぶんね、いないんでしょう。彼女なんていう存在?」
「いやぁ確かに、いないですが … …それが、なにか? という疑問がね」
それが、彼女にとっての僕との接点で、それが、共通点になるようだ。
「じゃあ、共通でよろしくねぇ。あッ、私は蒼葉でいいよ。えっと、高史朗ね、オッケー! オッケーッ! 頭に、うん。インプットされたみたいだよ?」
さっきとは変わりキラキラする顔を見せる。やっぱり不思議な感じがする子だ。僕にとっては“新鮮”というのが正しかった。
僕と彼女との接点はと言えば、彼女いわく。
「お互いに、“彼氏も彼女”も、いない」っていうのが接点らしい。
(とんだ、接点持ってきたもんだなーッ!)
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