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或る日のこと、キルルとクルル兄妹は野原の木陰で長閑な風景を眺めながらおしゃべりをしていました。魔が差したものか、クルルはふと、こう訊きました。
「ねえ、お兄さん、闇の国ってどんな世界なのかなあ・・・」
「闇の国?クルルは行ってみたいのかい?」
「行ってみたいって言うか、ちょっと見てみたいだけ。」
「しかし、あんまりいいとこじゃなさそうだよ、少なくともここより・・・」
「でも、異世界があると思うと、どうしても気になっちゃって・・・」
「まあ、その気持ちは分かるけど、ちょっと聞いた話では、ここと価値観が全然違うらしいよ。」
「ふ~ん、どんな風に?」
「どんな風かは分からないよ。何しろ僕たちには想像もつかないことだから・・・」
「そう言われると、益々興味が湧いて来ちゃう!」
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