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選択は誰の前にも存在する
石積みの壁が左右に広がり、天井を見上げれば、凹凸のある岩盤がこちらを見下ろしている。そして、足元には土壌が形成されており、歩行する者の足を痛めない役割を果たしている。それらを確認するのには懐中電灯などのような光源が必要だろう。
しかし、ここにある光は蝋燭の明かりのみ。それを包むガラスに、全体を覆う真鍮のフォルムは鳥かごのようにも見える。それから放たれる光は石油性の明かりとは異なり、弱々しい。先を見通すには心許ないが、この優しい光こそが、人の心を魅了し、暗闇の先へと進む活力を生み出すことになるのだ。その光に促されて、一歩、二歩と前に足を出すと、左右の石積みが遠のき、部屋と呼べるスペースに誘われた。
そこには木製のテーブルと椅子があり、テーブルには洋風な料理が並べられている。地下のこのように明かりもないこの場所では、さも異様な存在感を示していると言えよう。
さて。このような歓迎を受けたらどうする?
1 逃げる
2 取り敢えず椅子に腰掛ける
3 周囲を警戒する
4 歓迎を素直に受け、有り難く頂戴する
バイゼルハイムは2を選択する。長い暗闇の通路の道程に疲れを覚えていたからだ。それを癒やすために休みを望むのは当然のことだろう。
蝋燭の光をテーブルに置き、椅子にゆっくりと腰掛ける。そして、同時に3を選び取り、歓待の意志を示した者を探す。
しかし、何者かがいる気配は何処にもなく、時間ばかりが過ぎていく。バイゼルハイムは探すのに疲れ、テーブルの料理を眺めることにした。その観察によって、料理に不審な点を発見した。カビのような模様があるパン。黒ずんで見えるウインナー。湯気も発していない冷めたスープ。
やはり不味いのではないだろうか?
1 逃げなきゃだめだ
2 カンテラを料理に近づける
3 自らの肉を取り出す
4 気にせず料理に手をつける
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