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少女は、何度も何度も少年の身体を揺すり起こそうとするのだが、少年の身体は、ピクリとも動く気配は無い。
始めのうちは躊躇して、オロオロしている少女だったのだが、やがて、彼女は、まるで死んでしまったかの様に動かなくなっている少年の身体を背負い、自分の家屋へと連れ帰ろうとするのであった。
最初に、少年が見付けた、丘の麓にあるロッジが少女の住まいなのである。
少年は気が付くと、見ず知らずの部屋のベッドの上で横たわっていた。
どのくらいの間、少年は意識を失っていたのだろうか?残念ながら、少年が意識を取り戻す迄に、全てが解決している訳では無さそうだ。
少年は、途方に暮れていた………。
そこへ、部屋の向こうにある炊事場から、少女が顔を出した。
「………気が付いた?………良かったぁ。」
「………此処は?」
「此処は私のお家よ。アナタ、帰らずの平原で倒れてたのよ?………もう、ビックリしちゃったんだからぁ。でも、気が付いて良かったわ。」
「………君が、此処まで連れて来てくれたの?」
「そうよ。アナタ、随分と傷付いてたし、何だか心配だったから………。」
「………そうなんだ。助けてくれてアリガトウ。」
その時、僕は思わず、少女の素顔をまじまじと見つめてしまっていた………。
「……………………………………………………………。」
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