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月の明かりの少ない夜。
ほとりはまた外のトイレに行っていた。
でも、中よりなんだかマシなんだよな、と思いながら出て来たとき、ふと、蔵が目に入った。
……また扉が開いてる?
閉めても閉めても、開いている。
襖と同じだ、と思いながら、ほとりは蔵の後ろ側、納屋の前を見た。
此処、いつも誰かが人を殺してるんだよなー。
ああ、いや。
誰かじゃないか。
美和さんだ。
小さな身体の美和さんが、制服姿の女をその背に背負っているように見えるのだが。
実際には、女は、後ろから首にロープを巻かれ、背中に担がれている。
自殺に見せかけるのに使われたりする手法だが。
小さな美和さんが自分より少し大きなその女をそのやり方で殺すのは大変そうだった。
「他にもっと良い殺し方があったろうにな」
側で声が声がしたので、顔を上げると、神様だった。
「……あれ、消したりしないんですか?」
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