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しかし、なんで今日は回ってないんだろうな?
その日の気分で回ってんのか? と思いながら、ほとりはこけしに近づいた。
こけし自体には悪いものは感じないのだが、この辺りから嫌な感じがするんだよな、と思いながら、ほとりは、巨大なこけしの下の箪笥を見た。
よく見ると、引き出しが完全に閉まっていない。
そこから、小さな足が覗いていた。
どきりとしたが、それは、人間のものにしては、細く小さく、不自然な淡いピンク色をしていた。
これって……と引き出しを開けかけたとき、月に雲がかかったようだ。
すうっと蔵の中が暗くなる。
パタン、と音がし、蔵の扉が閉まった。
えっ? と振り返った瞬間、誰かの手に口を塞がれた。
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