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そのまま、うつ伏せに引きずり倒され、口許を覆われたまま、身体をまさぐられる。
痴漢!? こんな田舎に!?
いや、田舎、関係ないか。
まだ環とも、なにもしてないのに。
こんなところで、他人に襲われては、さすがに申し訳ない、と思いながら、急いで、手探りで辺りを探す。
ああ、ええっと、これっ。
勢い良く、それを振り下ろすと、相手は声も出さずに息でうめいた。
離れた隙に、もう一度、殴ろうとしたが、起き上がった弾みに、何かにつまづいてこけてしまった。
そのとき、上から何かが降って来た。
咳き込んだ隙に、相手は開けた扉から闇夜に走り出てしまう。
「ま……っ」
待って、と叫びながら、追いかけようとした瞬間、足にロープが引っかかった。
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