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「いつも狩りをしているわけじゃないからな」
「なるほど。では、どうして、こんなところに?確か、普段は”アーク”にいるんじゃなかったっけ」
異次元空間に浮かんでいる”マ界”は、今、”太陽の戦士”の攻撃を受けた結果、攻略され”アーク”という彼らの基地になっていたのである。
「まあな」
「実は、お伺いしたいことがあってきたのです」
「?なんだろう」
「おっさん、大学出なんだろ」
「ああ、一応ね。もう、何十年も昔の話なのだけど」
「だから、その頭のいいところで、教えてほしいんだよ」
「なんだろう、怖いね、僕に答えられることだといいのだけど」
「なあ、おっさん、なんで、俺たちは”あの世界”に飛ばされたんだ?」
「????? ???? ????」
「だめだよ、兄さん、きちんと説明しないと、東さん、完全に理解不能って顔をしているじゃないか」
「ち、これで”真の救世主”なのか?”真の救世主”ってなら、全知全能の神みたいなモノなんだろうが」
「それでも、おのずから、限界はあるんじゃないかなあ」
「すまない、何のことかわからない・・質問そのものが、わからない」
「その昔、俺とルーフは超能力の仲間とともに、マ宮のマ王を攻撃したんだ」
「なるほど」
「で、”顔を洗って出直して来い”って弾き飛ばされたんだ」
「よく、殺されなかったね」
「あ、それ、言わないでって言おうと思ったのに」
「あの変態オヤジは、”もっと楽しみたかった”のさ」ジンは、憮然とした顔で言った。
「僕たちではまだ”殺す価値もない”ということなのでしょう」
「なるほど・・でも”あの世界”とは?マ界の中のどこかじゃないの?」
「ああ、マ界の外の実世界だ」「うむ・・で、それが」
「てっきり、俺たちはそこがオヤジが攻めてくる前の世界だと思っていた」
「ふむ」
「そこで、僕たちが力を磨いたり、仲間を募って、マ王たちと戦うようにしむけたとばかり・・」
「違ったのかい」
「ええ」
「その世界では、高知能化されたサルとかが開発中だったがね」
「?」
「”スカルシティ”と呼ばれる、エド・メガロポリスだったんです」ルーフが言った。
「ああ、エド・・この世界の隣というか、”平行世界”のひとつの都だね」
「ああ、そうだ。しかし、エドメガロポリスの世界は、氷幻魔の攻撃によって氷河期になって滅亡したんだよな」
「・・そう聞いている」
「しかし、俺たちが弾き飛ばされたスカルシティの世界は、核戦争で滅亡したんだよ、おっさん。下っ端の幻魔が多少ウロチョロしていたようだが」
「もしかして、マ王の侵攻はなかった・・とか」
「そのとおりなんです」
「さらに言えば、月も、壊れなかった」
「僕たちが、マ界で教え込まされたのは、マ王が地球に攻め込んだときに、月も破壊されたということで」
「たとい、その話が、嘘八百だったとしても・・な」
「つまり、その、君たちがマ王に飛ばされた世界というのは、マ王に侵略された過去の世界じゃなかったってことかい」
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