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戦いこそ正義の、異世界学園
元の世界で僕が通っていた中学校は、中々に古かった。
内装も、いかにも昔ながらの学校、という雰囲気の作りだ。
高校も同じ雰囲気だった。
まぁ、中学校よりはしっかりとしていたが。
そして今、僕が連行されてきたこの異世界の学園は。
僕が通っていた中高学校よりもずっと綺麗な建物で、異世界のくせに近代感を感じる程だった。
異世界の学園といえば、もっと魔法使いが通ってるというイメージがあったんだけれども。
とはいえ、あまりに立派な校舎なので、これはこれで別世界の建築物としか思えない。
そんな異世界学園の一室にて。
僕は数人の武装した生徒に囲まれ、青髪の少女と向かい合って座らされていた。
ちなみに、両手は未だ拘束されたままである。
この青髪少女はテイナという名前で、
警備生徒という警察の様な組織に所属しており、ひとつの班の班長をしているらしい。
「データベースには登録無し。ブラックリストや犯罪リストにも記録は無し。貴方に関する情報は、何一つありません」
テイナは、一冊のファイルを手に、そう告げる。
記録が無いのも当然だろう。
この世界には、今さっき来たばかりだから。
「身元不明者が出る事は、別に珍しい事ではありません。
この学園にも"別の世界から来た"と言っている生徒は何人がいます。ですが」
「え・・・?」
"別の世界から来た"と言っている生徒が、他にもいる?
とても気になる話だが、それを問う前に、テイナは別の行動に移る。
「これについては、少し話を聞く必要があります」
テイナが机に、とある物体を置く。
魔剣と呼ばれていた、あの黒い剣・・・の、柄だ。
柄だけになっているという事は、誰かが剣を取った事で、また刃が無くなってしまったのだろう。
「イミミという少女から少し話を聞きましたが、それは"腐竜の黒剣"という魔剣だそうですね。
そしてその魔剣は、所有者である貴方にしか扱えない」
「・・・そうみたいですね」
当然だが、僕にはこの魔剣に関する知識は何も無い。
一体、どんな力があって、何が出来るのか。
今さっき、この世界に来たばかりの僕には何も解らない。
「私達、警備生徒としては、その様な特殊武器を所有している正体不明の人物を、野放しにする事はあまり好ましくありません。
ですが、かといって犯罪者でもない者の所有物を、勝手に奪う事も出来ません」
なので、とテイナは話を続ける。
「しばらくの間、貴方は私達の監視下に入ってもらいます」
「えーっと、つまり、僕は牢屋行きなの?」
なんだか厄介な事になっている気がする。
「いいえ。貴方にはこの学園に入学して貰います」
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