【第一章】 コードF フォックス

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「この建物から怪しい気配はしない……デルタ、あれを見て。たぶん、海斗が言ってた路地裏に続く道だ」 「嫌な気配が漂ってる。行ってみよう」 いつの間にか雨は上がり、雲の切れ間から光が差し始めている。しかし、路地裏に繋がる道は暗く、まるで別世界の様に見えた。 気配を探りながらゆっくりと慎重に進んで行く。少しずつ力がざわつき始め、この先に飛緑魔がいると警鐘を鳴らしていた。 「向こうも気づいているみたいだね」 「隠れるつもりは無いみたいだな」 怪しい気配が一番濃く感じる場所で足を止める。すると、どこからか声が聞こえてきた。 「あなたたち、あの一族の仲間ね」 フォックスとデルタの瞳が光を放ち、見上げた先に敵の姿を捉える。鋭い爪と牙、人外の耳、その姿はまるで獣の様だった。 697c29c1-5e22-403f-9b74-7920b0c32404
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