神様、世界の終わりを見せてくれ

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ある日 空は言った あなたの全部はここに帰ると 空は雲も星も月も 遠くの瑠璃も 誰かが死んで造ったものだと言った 私は泣いた きっとこれは海になる 私は笑った きっとこれは風になる 手を伸ばせば 誰かが吸った息 悲しみも喜びも 伝えられては消えていく 天に昇るべき道 誰かの屍を伝い昇る道 柔らかな腕が 差し伸べられて 私は天使になった ある日 大地は言った あなたの全部はここにあると 大地は山も緑も花も 遥かな茜も 誰かが死んで造ったものだと言った 私は泣いた 世界は私の屍 私は笑った 時間は私の鼓動 手を伸ばせない 誰かが吸うはずの息 怒りも憂いも 伝えられない 消えてしまえ 天に昇るべき道 誰かの屍を伝い昇る道 柔らかな腕が 差し伸べられて 私は天使になった 帰ることのできない空 落ちた神鳴 漂う雲にも赦されず 私はどこへ? 天に昇るべき道 誰かの屍を伝い昇る道 柔らかな腕が 差し伸べられて 私は天使になった 私は天使になった 赤い実食べたのだあれ?
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