神様、世界の終わりを見せてくれ

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ハタハタと風があります フウフウと木が鳴きます それにしても哀しすぎます 雲が黒を引きずっています 幻想かとため息をつきます 雨は宵に上がってしまって 水面がヒタヒタと凍ります しかしながら残酷すぎます 神様に願い、希望を唱えます 父母の姿が気になりだすと 苦し紛れに一歩歩みます チャポンと音がすると 嬉しくてなりません 春の夜は高く空にあるので どうしても下を見てしまいます 暗い底は、寒そうです ああ、こうして生きていくのですね もう一歩歩もうとする肢が、動きません ああ、こうして死んでいくのですね だから、笑いが止まりませんでした
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