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公の場でこんなことをしたって兄上や父上の耳に入ったら、また怒られるなあ。 僕は、ふう、と溜息を吐いた。 するとなにやら勘違いしたらしい様子のスターニャが、慌てて僕の膝から降りて、僕の手を両手で握った。 「ギルバート様、婚約破棄なんて、許しませんからね。」 強気な発言の割に、スターニャのその声は震えていた。 ああ、やっぱり僕の婚約者は可愛い。 「今日は、もう帰ろっか。」 「え?」 fin 余談だけど、僕がスターニャをからかっている間に、スターニャと僕の関係性をトランペット国の誰かが伝えたようで、勇者ユウキとその一行は、後で僕に謝りに来たよ。
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