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僕の名は、ギルバート。 正式の名はやったらめったら長いから、公式の場じゃない限りは省略。 父上は魔法大国ドンデンガエシ国の国王で、僕は14人いる王の子の中で、12番目の息子だ。 ちなみに、今年で15歳。 兄上たちはなにやら次の玉座を狙ったりなんだりで揉めているけど、僕は王位継承権になんて興味もないし、兄上や姉上たちが大体の仕事をしてくれるから、僕はのらりくらりと城の中で過ごすだけ。 ……って、それは僕の願望で、まあ、もちろん、何もしてないわけじゃない。 国内のことは殆ど兄上たちがやるし、近隣国との外交関係は姉上たちや貴族の令嬢たちが他国に嫁がれていってうまくやっている。 だからはっきりいって、たまの外交の場の他には、国内の公式の場以外に顔を出す以外の仕事はないんだけど、祝事には王族全員参加の風潮があるこの国では、公式の場っていうのが、やたらめったらと多い。 王族それぞれの生誕祭に、国の万栄や平和を讃えたり祈ったりで、だいたい一月に一回は設けられている国の祭事、国内の功績者たちの功労会、他にもたくさん。 何だかんだで、年内に暇がある日はほとんどない。
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