2.

7/13
前へ
/63ページ
次へ
「……何、見せたくないものって。」 「……。」 「僕に、隠すの?」 スターニャは、どうしよう、と眉を八の字に下げ、上唇で下唇を噛む。 ああ、こんな時ですらスターニャを可愛いと思ってしまうが、僕はスターニャに隠し事をされていることに、ほんの少し腹が立った。 「わかった、もういい。」 わざと、そっけなく言い放って、スターニャの顎と腰から手を離して、背を向けた。 スターニャは、えっ、と声を揺らす。 「スターニャ、僕はね。寝る前には君におやすみって言いたいし、朝起きたら、隣に君が居て、おはようって言いたい。……ただ、それだけなんだ。」 まあ、朝目が覚めて隣に君がいたら僕は間違いなく抱きしめちゃうけど、という本音は胸の内に隠し、スターニャへ顔だけ向ける。 「君も、喜んでくれるかなって思った……でも、それは僕のワガママだったようだし、諦めるよ。」
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加