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「ギルバート様、そろそろお時間です。」
僕の側近のボンボが、僕とスターニャの隣に現れた。
なにもないところから現れたボンボはは、大きな懐中時計の針の先を皺だらけの人差し指で指差して、僕の顔の横へと突きつける。
書斎への入室を許した覚えはないぞ、と強気に出れないのは、仕事の合間にボンボに無理言って、スターニャを呼びつけたからだ。
スターニャに会うために、時間だけは守ると事前に約束を持ちかけたのは僕からで、僕が生まれた時からお目付役をしているボンボは、普段は優しいに約束を違えると滅茶苦茶、怖い。
僕は、スターニャを怒らせる、の次に、ボンボを怒らせる、が怖い。
というわけで、僕はスターニャの腰と頬から手を引いて、スターニャへの悪戯をやめた。
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