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王子の椅子に座り、王子に跪かせている図。
誰かに見られたら、どやされるどころじゃありません。
私は不敬の罪で、間違いなく罰せられます。
慌てて立ち上がろうとしますが、ギルバート様の声が私の動きを制止します。
「ねえ、スターニャ。僕は極力、スターニャに兄上と話して欲しくないんだあ。」
そう言って、ギルバート様は右手の甲にキスを落としました。
ギルバート様の熱い目に見上げられ、魔法にかかってなどいないのに、私はギルバート様の目から視線をはずせなくなります。
わかりやすい嫉妬。
わかりやすい愛情表現。
これでもか、というくらいに愛されているものだから、周りの方々から、羨望の眼差しを頂くことも多々あります。
確かに、愛されている自覚はあります。
でも。
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