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自由奔放で周りを困らせていたはずの殿下の行動の全ては、国の為でした。 『なあ、ボンボ。私は王になるぞ。』 『そうですか。』 『はっ。お前は、笑わないのだな。父上には鼻で笑われたぞ。』 殿下に、そう言われた時。 私は、何故笑う必要がありましょうか、と笑いました。 『笑いません。殿下ほど、この国の王に相応しい方は居ないでしょう。』 『……。』 『ただ、後腐れなさそうな女性から情報を集めるくらいなら、初めから私に命令してくだされば良かったのに。』 『私の側近執事なら、言わなくてもわかるだろう。』 『そうですね。殿下が女性好きなのは間違いないですね。』 『ああ、それは間違いないな!』 私の返しに、トルネード殿下は、珍しく声をあげて笑われました。
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